エドワードグリーン

エドワードグリーンvsジョンロブ徹底比較

ラグジュアリーシューズ・イメージ

エドワードグリーンとジョンロブは、英国を代表する高級紳士靴の二大ブランドとして常に比較の対象に挙げられる存在であり、靴好きのみならず高品質なシューズを求める人々からも注目を集めている。

クラシックなエレガンスか、モダンで洗練された雰囲気かという観点だけでなく、価格や履き心地、経年変化の楽しみ方まで含めて「どっち」を選ぶべきか迷う声は多く、その判断基準は意外にも奥深い。

本稿では両ブランドの特徴を丁寧に整理し、後悔しない選び方の指針を提示するとともに、英国靴に求められる価値や魅力についても考察していく。

また、各ブランドが歩んできた歴史的背景や製造工程の違いにも触れることで、それぞれの魅力が生まれる理由を理解しやすくし、より納得感のある比較を可能にしていく意図がある。

この記事のポイント

  • 両ブランドの特徴やデザインの違い
  • 履き心地やラスト構造の差
  • 価格帯やコストパフォーマンスの比較
  • どんな使用シーンに向いているか
  • 最終的にどちらを選ぶべきかの判断基準

エドワードグリーンとジョンロブのブランド比較

ラグジュアリーシューズ・イメージ

ブランドの歴史と背景

エドワードグリーンは1890年創業、ノーサンプトンの伝統製法を守り続けるブランドであり、創業当初から品質基準の高さとクラフツマンシップを重視してきたことで知られる。

その歴史の中で職人たちは木型の開発や革の選別など、細部にわたる改良を続けながら、英国ならではのクラシックなスタイルを継承してきた。

また、20世紀以降は世界市場へ進出し、英国靴の代表格としての地位をさらに強固なものにしたといえる。

一方、ジョンロブは1866年にロンドンで創業し、王室御用達としてビスポーク靴で名を挙げた後、既成靴ラインにも本格的に参入し、現在ではビスポークと既成靴の両面で世界的な評価を確立している。

特にビスポークにおける精緻なフィッティング技術は、既成靴にも確かな影響を与えており、履き心地とデザイン性の両立がジョンロブの最大の強みとされる。

また、その国際的評価はロンドンだけでなくパリやニューヨークなど世界的都市での支持にも反映されている。

また、両ブランドは英国紳士文化を象徴する存在として、靴づくりの歴史的背景と文化的意義を担っている。

英国に根付くクラフトマンシップと紳士文化をベースに、現代のファッション市場にも対応する柔軟さを備えており、単なる靴という枠を超え、英国文化そのものを体現する存在として位置づけられている。

ブランド創業ルーツ現在の主軸
エドワードグリーン1890年ノーサンプトン既成靴中心
ジョンロブ1866年ロンドンビスポークと既成靴

英国靴における位置づけ

両ブランドとも英国靴の最高峰とされるが、エドワードグリーンはクラシックなエレガンスを体現し、伝統に根差した控えめな上品さが魅力とされる。

とりわけ、その控えめでありながら確かな存在感は、英国紳士靴における理想的なスタイルとして長く評価され続けている。

一方、ジョンロブはエレガントかつモダン寄りの仕上げが特徴とされ、洗練されたデザイン性や都会的な雰囲気を強く打ち出すなど、同じ英国靴でありながらアプローチの違いが明確に見て取れる。

また、ジョンロブはビスポークに由来する高い造形力を既成靴に落とし込むことで、現代的な感性と伝統技術の融合を実現しているといえる。

評価軸エドワードグリーンジョンロブ
方向性クラシックモダン寄り
革の表情落ち着き洗練
印象紳士的上質感と存在感

ブランド哲学とデザイン思想

両ブランドとも品質至上主義だが、エドワードグリーンは質実剛健な作りと控えめな美しさを追求し、伝統に根差した落ち着きのあるデザインを得意としている。

その背景には、創業以来、素材選定から製造工程に至るまで、一つひとつの工程に妥協を許さない姿勢があり、職人による手仕事が製品価値を大きく支えているという事実がある。

また、その堅牢な構造と丁寧な縫製は長期使用を前提とした実用性にもつながっており、履き込むほどに革が足に馴染み、所有期間が長くなるほど魅力が際立つという、革靴ならではの醍醐味をしっかりと体現している。

一方、ジョンロブはドレッシーさと都会的なムードが強く、洗練されたスタイルを演出する要素が随所に見られる。そのデザインは、クラシックを尊重しつつも現代性を巧みに取り入れており、スーツスタイルだけでなくドレッシーなカジュアルスタイルにおいても存在感を放つ。

また、ビスポーク由来のエレガンスを既成靴にも反映させることで、機能性と高級感の両立を図っている点が際立っており、ファッション性と実用性を求めるユーザーに対して高い満足度を提供していると言える。

例として、エドワードグリーンは革の選別基準が厳格で、細かな丁寧さが際立つと評価される。

象徴的なモデルの違い

代表的なモデルとして、エドワードグリーンは「チェルシー」「ドーバー」があり、いずれもブランドの美学やクラフツマンシップを象徴する存在として長く支持されている。

特にチェルシーはストレートチップの中でも英国靴らしい端正な佇まいが高く評価され、一方のドーバーは独特のスキンステッチによる手仕事の妙を味わえる名作として愛好家の支持を集めている。

また、ジョンロブは「シティⅡ」や「ウィリアム」といったモデルが知られ、エレガンスとモダンさを兼ね備えたデザイン性の高さが評価されている。

シティⅡは洗練されたドレスシューズとして幅広いシーンに適合し、ウィリアムはダブルモンクの代表格として、クラシックでありながら現代的な個性を演出することができる。

これらのモデルは、各ブランドの歴史や哲学を最も端的に示すものであり、選択するモデルによってスタイルの方向性や履き心地の印象が異なる点も比較の醍醐味と言える。

さらに、モデルの構造的特徴や木型の違いはユーザーの足型との相性に直結するため、単純なデザイン比較だけでなく、長期的な履き心地を踏まえた検討が重要になることも見逃せない。

ブランド代表モデルデザイン特徴
エドワードグリーンチェルシーストレートチップの王道
エドワードグリーンドーバー名作スキンステッチ
ジョンロブシティⅡドレッシーで端正
ジョンロブウィリアムダブルモンクの名作

ビジネスシーンでの評価

ビジネスシーンでは、エドワードグリーンは控えめで上品な印象が好まれ、英国ビジネススタイルにおける落ち着いた雰囲気を重視する場面で選ばれる傾向が強い。

また、履き込むほどに革が足に馴染む特性は長時間のビジネスユースとも相性が良く、信頼性や誠実さを演出するのに適していると評価される。

さらに、控えめでクラシックなデザインは、顧客対応や会議の場など、対外的な信頼性が求められるシーンでも安心して着用できる点が高く支持されている。

一方、ジョンロブは存在感が際立つため格式ある場でも映え、役職者やエグゼクティブ層、あるいは式典などのフォーマルなシーンにおいて、よりステータス性の高い選択肢として認識されることが多い。

さらに、ジョンロブ特有の洗練されたデザインと上質な仕上げは、ビジネスの場における自信と威厳を視覚的に示す効果も期待でき、重要なプレゼンテーションや公式イベントなどで重宝される傾向がある。

結論:ビジネス寄りならエドワードグリーンが控えめで品格ある印象を与えやすく、格式やステータス性が求められる場面ではジョンロブがより存在感を示す選択肢として重宝される傾向がある。

代表モデルの特徴と違い

ラグジュアリーシューズ・イメージ

エドワードグリーンの代表モデル

エドワードグリーンではチェルシーやドーバーなどが象徴的な存在であり、英国らしい端正さや職人技が際立つ。

特にスキンステッチなど、細部に宿る上質さが評価され、職人による丹念な手仕事がブランド価値を一層引き立てている。

また、使用される木型(ラスト)はモデルごとに微妙な差異が設けられており、同じブランド内でも履き心地に個性が生まれる点が特徴といえる。

さらに、ラストの選択によって足のホールド感やアーチサポートの具合が異なり、ユーザー自身の足型や使用シーンに応じた最適なモデルを選ぶ楽しさがある点も、エドワードグリーンの魅力を語るうえで欠かせない視点といえる。

モデルタイプ特徴
チェルシーストレートチップ英国靴の王道デザイン
ドーバーUチップスキンステッチが象徴

ジョンロブの代表モデル

ジョンロブの代表モデルはシティⅡやウィリアムで、クラシックな中に洗練されたモダン要素が含まれている。

既成靴であってもビスポークの流れを感じられる設計思想が反映されており、ドレスシーンだけでなくよりフォーマルな場でも存在感を発揮する。

さらに、これらのモデルはディテールやパターンカッティングに至るまで細部にこだわりが見られ、履き込むことで足になじむだけでなく、着用者のスタイル全体を格上げする効果が期待できる。

また、ブランドの歴史が持つ伝統性と現代的なデザイン感覚が絶妙に融合しており、エレガンスを求めるユーザーにとって理想的な選択肢として位置づけられている。

モデルタイプ特徴
シティⅡストレートチップドレッシーで端正
ウィリアムダブルモンクモダンで個性的

木型(ラスト)の特徴と履き心地

エドワードグリーンは比較的クラシックな細身の木型が多く、足に馴染む過程でのフィット感が高くなる傾向がある。

特に、履き始めはややタイトに感じられることがあるものの、時間の経過とともに革が足の形状に沿って自然に伸び、長期的な快適性を実現しやすい。

一方、ジョンロブはラストの設計が立体的で、履き始めからフィットする感覚が得られやすい点が支持されている。

これは、ビスポークに由来する立体的構造が既成靴にも反映されているためであり、購入初日から快適に歩行できるというメリットにつながる。

これにより、購入時点での履き心地の印象に違いが出ることが多く、ユーザーは自身の使用目的や足型に合わせて適切な選択を検討することが重要となる。

結論:馴染ませて楽しむならエドワードグリーン、初日からフィット感を求めるならジョンロブが有利という傾向は変わらないが、どちらも長期的に高い満足度を提供する点では共通している。

革質の違いと選び方

革質はどちらも最高峰だが、エドワードグリーンは落ち着いたレザーの質感が特徴的で、経年変化を楽しめるのに対し、ジョンロブは光沢感が強く、ドレッシーな雰囲気が際立つ傾向がある。

さらにエドワードグリーンのレザーは長期間の使用によって徐々に深みを増し、使用者のライフスタイルに応じて表情が変化する点が魅力であり、長年履き続けるほど味わいを感じられる。

一方でジョンロブは、購入時から上質な輝きを持ち、特にフォーマルな場において視覚的な存在感を発揮しやすい。

また、購入時には使用シーンや求めるスタイルによって選ぶと満足度が高く、ビジネス中心なら落ち着いた革質、式典や格式ある場面が多い場合には光沢の強いモデルが適していると考えられる。

ブランド革の特徴経年変化
エドワードグリーン落ち着いた表情深い味わい
ジョンロブ光沢感と洗練上品に変化

ソール構造と実用性

エドワードグリーンは耐久性を重視した構造が多く、長期間の使用を前提とした仕上がりになっている。

そのため、日常のビジネス用途から長距離の歩行まで、時間をかけて履き込むほど靴本来の堅牢性と快適性が実感できる点が特徴である。

一方、ジョンロブは軽さとエレガンスを両立させ、歩行性とドレッシーさを兼ね備えている点が魅力であり、見た目の洗練さだけでなく、軽快な履き心地によって疲労を感じにくい設計となっている。

さらに、使用頻度や歩行距離に応じた選択が重要となるだけでなく、着用するシーンや求めるスタイルによってソールの構造が与える効果が大きく変わるため、ユーザー自身のライフスタイルを踏まえた検討が求められる。

ブランドソール特徴実用性
エドワードグリーン耐久性重視長期使用向け
ジョンロブ軽さと洗練歩きやすさ重視

価格帯とコストパフォーマンス比較

ラグジュアリーシューズ・イメージ

定価がどのくらい違うのか

エドワードグリーンとジョンロブはどちらも高級紳士靴として知られるが、定価では一般的にジョンロブの方が高く設定されていることが多い。

エドワードグリーンは高品質でありながら、比較的手の届く価格帯を維持しており、同クラスの英国靴の中でもコストパフォーマンスが高いと評価される。

特に、製造プロセスにおける素材選定や縫製技術の丁寧さが価格以上の価値をもたらすという点が支持されている。

一方、ジョンロブはブランドの歴史性やビスポークの伝統を背景に、価格がプレミアムになる傾向があるだけでなく、限定モデルや特別仕様の展開も多いため、定価がさらに上昇しやすい。

こうした背景から、両ブランドの価格差は単なる製造コストだけでなく、ブランド価値や歴史的意義といった無形要素も大きく影響していると言える。

ブランド平均価格帯特徴
エドワードグリーン高価格帯品質と価格のバランスが良い
ジョンロブさらに高価格歴史性・ブランド性が価格に反映

価格に見合う価値の考え方

価格に見合う価値を考える場合、単純な金額比較ではなく、履き続けることで得られる体験や満足度を含めて判断する必要がある。

特に、長期間着用することで革が足に馴染み、履き手ごとに異なる表情や質感の変化を味わえる点は、高級靴ならではの価値として見逃せないポイントである。

エドワードグリーンは堅牢な作りとエレガントなデザインで、長期使用に耐える実用性が魅力であり、経年変化による深い味わいが加わることで、購入時以上の満足度を得られることが多い。

一方でジョンロブはビスポークに通じるフィット感とデザイン性の高さが強みで、履くことで得られる所有感が非常に大きいだけでなく、ブランドが持つ象徴的価値やストーリー性が着用体験に付加価値を与えるため、単なる靴以上の意味合いを感じ取れることが特徴である。

結論:長期使用を考えた価値ならエドワードグリーン、所有感の高さやブランド性を求めるならジョンロブ。

中古市場での相場比較

中古市場ではモデルや状態によって価格差があるが、エドワードグリーンは比較的価格が安定し、状態が良ければ高いリセールバリューが期待できる。

その背景には、クラシックモデルが長期にわたり市場で支持され続けている点があり、定番デザインほど価値が落ちにくいという傾向が見られる。

また、手入れが行き届いた個体を選ぶことで、中古購入であっても新品に近い履き心地を得られる可能性がある点も魅力とされる。

一方ジョンロブは新品価格が高いため、中古でも高額になる傾向があるが、モデルによっては値落ちが生じにくい特徴がある。

特に限定モデルや人気の高いラストを採用したモデルは市場価値が維持されやすく、場合によっては価格が上昇するケースも見られるため、コレクション目的でも注目されている。

ブランド中古相場傾向
エドワードグリーン比較的安定モデルによって値持ちが良い
ジョンロブ高め値落ちしにくいモデルも多い

資産価値という考え方

高級靴は単なるファッションアイテムではなく、資産価値として捉えられる場合もある。

特にジョンロブのビスポークや限定モデルは市場での希少性が高く、コレクションとして価値を持つことも珍しくない。

さらに、限定生産品や特注仕様は将来的にプレミア価格が付く可能性を秘めており、投資的な観点から注目を集めることもある。

また、市場で流通する数量が限られている点は、ファンのみならず投資目的のユーザーにとっても魅力となる。

一方、エドワードグリーンも職人品質が評価され、クラシックモデルは長期的に人気が続く。

特に、伝統的なデザインや普遍的な美しさを持つモデルは市場価値が安定しやすく、長期保有することで価値が維持される傾向がある。

靴を資産として考える場合、希少性・状態・保存方法が重要な要素となる。

修理費用の違い

修理費用に関しては両ブランドとも決して安価ではないが、長く履くことを前提とした構造のため、修理して使い続けられる点は大きなメリットである。

適切なタイミングでソール交換や補修を行うことで、初期投資以上に長期間の使用が可能になり、結果として総合的なコストを抑えられるケースも多い。

エドワードグリーンは比較的修理がしやすい構造で、国内外の修理店で対応できる場合も多く、純正以外の修理選択肢が豊富である点も利点として挙げられる。

一方でジョンロブは純正修理の品質が非常に高いと言われており、純正サービスを選択した場合には新品同様の仕上がりが期待できるとされている。

また、ジョンロブはビスポークに由来する修理ノウハウを活かした細やかな工程が特徴で、長年愛用した靴に対しても高いクオリティで再生が可能になるという。

ブランド修理費用傾向
エドワードグリーンやや抑えめ修理しながら長く履ける
ジョンロブ高め純正修理の品質が高い

履き心地・フィット感・耐久性

ラグジュアリーシューズ・イメージ

履き始めのフィット感

エドワードグリーンは履き始めはややタイトに感じることが多く、革が足に馴染むまでに一定の時間を要する。

そのため最初は硬さを感じる場合があるが、丁寧に履き続けることで徐々に足型に沿った自然なフィット感が生まれ、履き込むほどに快適性が高まる。

一方、ジョンロブは立体的なラスト設計により、履き始めから快適だと感じるユーザーが多いだけでなく、初日から足全体を包み込むようなサポート感を得られると評価される。

こうした違いから、初期フィット感を重視するか、馴染ませる楽しみを重視するかで評価は分かれ、選択基準にも大きく影響することになる。

ブランドフィット感特徴
エドワードグリーンややタイト馴染むほど快適に
ジョンロブ初期から快適立体的な設計

馴染むまでの期間

エドワードグリーンは革が固めで、馴染むまでに時間がかかる傾向があり、数週間〜数ヶ月かけて自分仕様になっていく。

そのため、履き始めは硬さや窮屈さを感じるものの、徐々に革が柔らかくなり足型に合わせて変化していくプロセスを楽しめるという醍醐味がある。

また、履き込むほどに革の質感が変化し、より自分だけの一足として成熟していく点も魅力といえる。

一方、ジョンロブは比較的早い段階で快適性を得られるが、長期的な変化を楽しむ場合はエドワードグリーンの方が魅力に感じる場合がある。

ジョンロブは履いた瞬間のフィット感やサポート性が高く、購入直後から高い完成度を体感できるが、経年による大きな変化は比較的穏やかであるため、革の成長を楽しみたいユーザーには物足りなく感じることもある。

結論:時間をかけて育てたいならエドワードグリーン、すぐに快適さを求めるならジョンロブ。

経年変化の違い

経年変化では、エドワードグリーンは落ち着きのある深みが加わり、クラシックな表情が強くなるだけでなく、履き手の使用環境やメンテナンスの仕方によって独自の風合いが育まれるのが特徴である。

例えば、定期的にクリームやワックスを入れることで艶が増し、革本来の美しさがより際立つようになる。

一方、ジョンロブは光沢感がより上品に変化していく傾向があり、ドレッシーな方向に変化していく点が特徴的であると同時に、長期間の着用においても品格を損なわない輝きを保ちやすい。

結果として、両ブランドはそれぞれ異なる方向性の経年変化を楽しめるが、どちらも長く愛用するほど美しく成熟していく靴であると言える。

ブランド経年変化印象
エドワードグリーン深い味わい渋み・クラシック
ジョンロブ上品な光沢ドレッシー

革の伸び方の傾向

革の伸び方については、エドワードグリーンは徐々に足の形に沿って伸びるため、長期的にフィット感が高まる。

特に、着用を重ねることで革が体温や湿度に反応し、より自然な形状へと変化していくプロセスは、革靴愛好家にとって大きな楽しみとなる。

一方ジョンロブは最初から柔らかく足に馴染む場合が多く、伸び代は比較的少なめであるため、購入直後からある程度完成された履き心地を提供する。

このため、ユーザーは自分の足型や使用スタイルに応じて、伸び方の違いを意識した選択が求められる。

革の馴染みを最大限楽しみたいならエドワードグリーンが向き、初期から快適性を重視するならジョンロブが適しているといえる。

修理頻度と耐久評価

耐久性ではどちらも高評価だが、エドワードグリーンは堅牢な構造により修理しながら長く履き続けられる。

さらに、定期的なメンテナンスやソール交換を行うことで、購入から長期間にわたって安定した履き心地を維持できる点が大きな強みとなる。

このように、靴そのものが長期使用を前提に設計されているため、ユーザーは結果としてコストを抑えながら長く愛用できるというメリットを享受できる。

一方ジョンロブは素材自体の上質さから長寿命を実現しつつ、純正修理によって耐久性を維持しやすいほか、修理による再仕上げの際にも非常に高い精度が保たれるため、長年使用した靴でも新品に近い状態に戻せる場合がある。

また、ジョンロブは修理を重ねながら品質を保持できる点に加えて、履き込むほどにブランドならではの風格が増すという魅力があり、所有満足度の観点でも高い評価を得ている。

ブランド耐久性修理頻度
エドワードグリーン非常に高い定期修理で長持ち
ジョンロブ高い純正修理で品質維持

どっちを買うべきかの判断ポイント

ラグジュアリーシューズ・イメージ

スタイル(クラシックorモダン)

エドワードグリーンはクラシックで落ち着いたデザインが中心で、伝統的な英国スタイルに強い。

そのため装い全体に上品で控えめな雰囲気をもたらし、クラシックなスーツスタイルとの親和性が非常に高いとされる。

一方ジョンロブはクラシックを基調としながらも現代的なラインを取り入れており、モダンな印象を与えやすいことから、ドレスアップだけでなくラグジュアリーなカジュアルスタイルにも合わせやすい。

用途に合わせた美意識の違いで選択が分かれるだけでなく、自身のファッションスタイルの方向性や着用シーンに応じて、どちらがより魅力的に映るかも変わってくる点が興味深い。

ブランドスタイルの傾向印象
エドワードグリーンクラシック寄り渋み・上品
ジョンロブモダン要素あり洗練・華やか

使用シーン(ビジネスorドレス)

ビジネス中心の場合、控えめで品格のあるエドワードグリーンが選ばれる傾向が強い。

エドワードグリーンは控えめながらも上質な佇まいを備えており、会議や商談といったビジネスシーンでも落ち着いた印象を与えることができるだけでなく、信頼感や誠実さを演出しやすいという点も評価されている。

一方で式典やドレスアップシーンでは、華やかで存在感のあるジョンロブが有利であり、特に式典やフォーマルイベントなど、より格式が重視される場面で視覚的なインパクトを与えやすい。

また、ジョンロブはデザイン性の高さから写真映えもしやすく、高級感を強調したい場面では大きな効果を発揮する。

さらに、イベントの内容や参加者の層によっても靴の選択が印象を左右する場合があるため、TPOに応じた選択が重要になるといえる。

ビジネス=エドワードグリーン、ドレス=ジョンロブが一般的な傾向という判断は、実績とユーザーの着用体験に基づいて広く支持されている

足型との相性

細身・甲低の足にはエドワードグリーン、甲高・幅広の足にはジョンロブが合うことが多い。

特にエドワードグリーンは細身のラストが多く、足の形状に合わせて徐々にフィットしていく特徴があるため、長期的な履き心地を重視するユーザーに向いている。

加えて、履き込む過程で革が足に馴染み、独自のフィット感を得られる点は大きな魅力であり、使用期間が長くなるほど満足度が高まる傾向がある。

一方、ジョンロブは立体的な木型によって甲高や幅広の足にも対応しやすく、履き始めから快適さを感じられるケースが多い。

これは、ビスポーク発祥のブランドならではの設計思想が反映されているためで、購入初日からストレスなく着用できるという利点がある。

ただしモデルによって木型が異なるため、実際に試着して判断するのが理想であり、可能であれば複数のモデルを比較し、自分の足型に最も適したラストを見つけることが長期的な満足につながる。

こうした点を踏まえると、単に見た目やブランドだけでなく、足型との相性を丁寧に確認することが靴選びにおける重要な要素であるといえる。

足型向いているブランド
細身・甲低エドワードグリーン
甲高・やや幅広ジョンロブ

予算と維持費

ジョンロブの方が定価は高めで、純正修理費用も高水準であるため、初期の投資額はやや大きくなる傾向がある。

ただしどちらも長く使えば結果として費用を回収できるケースが多く、特に定期的な修理やケアを行うことで履き心地と外観を維持しながら長期利用が可能となる。

また、ジョンロブは純正修理の品質が高い分、メンテナンスに費用がかかる一方で、仕上がりの美しさや価値維持に寄与する点は見逃せない。

さらに、こうした修理やメンテナンスは靴自体の寿命を大きく延ばし、結果的に購入時よりも長いスパンで価値を提供し続けるという利点につながる。

つまり、初期投資と維持費の両面で比較すべきであり、どちらを選ぶかによって長期的なコスト構造が異なることを理解しておく必要があるだけでなく、利用者の使い方やメンテナンスへの考え方によっても費用対効果は変動するため、総合的な判断が求められる。

項目エドワードグリーンジョンロブ
本体価格高価格帯さらに高価格
修理費用比較的抑えめ高め(純正品質)

所有満足感とブランド志向

所有満足感はどちらも非常に高いが、ブランド性や象徴性を求めるならジョンロブが優勢であり、その歴史背景や希少性が所有する喜びを一段と高めてくれる。

また、特別モデルや限定仕様など、コレクター心理を刺激する要素が多い点も評価されている。

一方、クラシックを味わいながら長く履きたい人にはエドワードグリーンが向いており、経年変化によって自分だけの一足に育っていく過程を楽しめる点が魅力である。

加えて、時間を掛けて革が足に馴染んでいくことで、より深い愛着が生まれるという体験価値がある。

また、どちらのブランドも異なる観点で「所有する意味」を提供しているため、自分が靴に求める体験や価値観によって理想の選択は変わってくるといえるだけでなく、ライフスタイルやファッションの方向性によっても選択が変化する点は大変興味深い。

所有満足感=両者とも高いが方向性が異なる

まとめ│エドワードグリーンとジョンロブどっちが買い?

エドワードグリーンはクラシックな英国スタイルを味わいながら革の経年変化を長く楽しみたい人に最適で、履き込むほどに深みが増し、自分だけの個性が宿る一足へと育てていく楽しみがある。

また、ビジネスシーンにおける落ち着いた印象づくりにも長けており、長期的に愛用することでより高い満足感が得られる。

一方、ジョンロブはラグジュアリー性とデザイン性を重視するユーザーに向いており、洗練されたデザインや上質な素材使いが特徴で、特に格式ある場面や特別なシチュエーションで存在感を発揮しやすい。

ビジネス向けならエドワードグリーン、格式やブランド感を求めるならジョンロブという結論になるが、最終的には足型や使用シーン、さらには自分が靴に求める価値観を総合して判断することが満足度につながると言えるだろう。

-エドワードグリーン